2016年1月24日日曜日

質問3: 人間は何を食べるように造られているのでしょうか

人間は何を食べるべきか

この命題は様々な形で論じられています。

ある研究者は、人間の腸の構造を見て、人間は草食だ、肉食だ、雑食だ、と言います。

ある研究者は、人間の歯の形を見て、犬歯が4本あることから、歯の全体の8分の1を占める、

12.5%は肉を食べるべきだと言います。

「朝ごはんは健康に良い」「朝ごはんは健康に良くない」

「一日に何回も小分けにして食べるのが良い」 「一日一食が良い」

「バナナは一日一本」「バナナは身体を冷やすから駄目」

「牛乳は毎日飲まないと」「牛乳を人間が搾取するのは人体にも環境にも良くない」

常に相反する研究結果が報告され、

「これを食べると良い」という新しい情報が毎月のように更新されています。

お肉やお酒やタバコで健康を害している人が沢山いる中で、

それら全てを毎日たしなみながら100歳以上活きる人もごく稀にいます。

人体科学的に見ると、結局のところは「よく分からない」部分がまだまだあるようです。


極寒地帯で、野菜が手に入らず、生魚・生肉ばかりだけ食べて生きている遊牧民もいます。

インドの人口11億の大多数は、つまり日本の全人口の数倍の数億人の人々は、

先祖代々ベジタリアンで、一生肉や卵を口にすることなく何世代も健康に生きています。


つまり、人間は肉を食べても食べなくても生きて行けるのです。


動物はどうでしょうか。

動物は、「今日は肉にしようか、野菜にしようか、お魚にしようか」 と迷いません。

食べるものがそれぞれの種族によって、そして環境によって決まっているからです。

逆に言うと、自分で何を食べるかを決定できる機構が、

自然界という創造の中に造りこまれていないのです。



人間の場合はどうでしょうか。

人間には「選択」 という機構が与えられています。

自分の外側には選択肢が与えられ、

自分の中には思考し、意思決定できる頭脳が与えられています。

「人間は何を食べるべきか?」 と考えられるのは人間の特権です。

正しい情報を集め、自分で考え、自分で決められる、という特別な機能を持っています。


さらに、

「他の生き物は全て、自分と同じように、殺されたり傷つけられたりするのは嫌なのだ」

という知識も生まれながらに与えられています。

動物が虐待されたり、工場で屠殺されたり、解体されているのを見て、

不快に思えることは、人間の特権です。

他人のお金儲けのために、自然な気持ちに逆らう必要はありません。

人間でい続けるためには、この人間的な自然な気持ちは殺されるべきではないのです。

人間が人間である為の根本をなしている、この自然な気持ちに逆らうことは、

健康なことではありません。

自然の調和と矛盾しているからです。

どんなに身体に筋肉がついていて、柔軟力があって、血糖値や血圧や心拍数が安定していても、

もっとベースにある心が、創造のあり方と調和していなければ、

心の中に、「自然界 VS 自分」という図式が出来てしまいます。

自分の中での対立は、様々なものの正しい理解を妨げてしまいます。


逆に、歴史上、精神的に成長を遂げた人、自然界の法則を見抜いた人の多くはベジタリアンです。


この、人間の「思考力、意志決定力」 というのが、

腸の構造よりも、歯の形よりも、

人間が、人間らしく、心理的に健康である為に、

「人間は何を食べるべきか」を決定している、

人間らしい機能なのです。